タイマー&通知で射出成形機の予熱を効率化

射出成形機は、利用開始前や始業前に予熱を完了しておく必要があります。自動化が進んでいない古い設備や小規模工場では、現地で手動操作を行い、作業員が現場で待機しなければならず、早朝出勤や予熱確認の手間が現場の負担となるケースが見られます。
このような背景から、タイマーや遠隔操作による自動起動、温度が所定値に到達した際のメール通知などを活用し、省力化に取り組む現場も増えています。
射出成形機の立ち上げ作業でよくある課題
- 始業前の早朝出勤や手動操作の負担
- 十分な予熱ができていない場合の稼働遅延
- 温度確認のため現地での待機が必要
- 立ち上げ状況の共有にかかる手間
- 人的ミスや操作忘れによるトラブル
こうした課題をきっかけに、自動化や省力化の検討が進んでいます。
タイマー自動起動と温度通知の構成例
SMARTIOのタイマー機能や遠隔操作で主電源をONにし、デジタルサーモスタットで温度を監視します。設定温度に到達したら、サーモスタットの接点出力からSMARTIOの接点入力へ信号を送信。メールで通知することができます。

- 接点出力1:遠隔操作で主電源のマグネットスイッチをON
SMARTIOをマグネットスイッチに繋ぎ、射出成形機の主電源を管理。早朝出勤や現地作業を減らせます。 - 接点出力2:タイマーで射出成形機の電源を入れ予熱を開始
SMARTIOを射出成形機の接点入力に繋ぎ、始業前にタイマー制御で自動に予熱開始。主電源が入っていない場合は予熱が作動しない安全な構成にできます。 - デジタルサーモスタットで温度を監視
担当者は現場にいなくても加熱完了をSMARTIOからメール通知で確認できます。待機や人的ミスも防げます。
また、手動操作と遠隔操作を併用できるため、現場対応や通信障害が発生した場合にも柔軟な運用が可能です。遠隔からタイマー設定や操作も行えるため、祝日や緊急時など予期しない状況にも対応しやすくなります。
運用時の注意点と導入のポイント
システムの信頼性や安全面、既存設備との適合を必ず確認しましょう。
- 主電源回路やマグネットスイッチは、SMARTIOの制御出力や成形機の消費電力に適合したものを選定
- タイマー・遠隔・現地操作を併用する場合は自己保持回路やインターロックで競合防止
- サーモスタットとSMARTIOの信号連動は必ず現場でテストし動作確認
- メール通知の内容や担当者の運用フローを明確化
- 通信障害時も現地で手動操作できる回路構成にしておく
このようなポイントを押さえることで、安全かつ実用的な自動運用につながります。
省力化で現場の立ち上げ業務を効率化
省力化の仕組みを取り入れることで、立ち上げ作業の負担軽減だけでなく、ミスの防止にもつながります。現場や設備に合わせて安全な運用をご検討ください。
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